六花は、ブランドコンセプトから生まれた店ではありません。
10年間、家族として共に暮らした、うさぎのロッカ。
その小さな存在と過ごした時間の中で、
少しずつ育まれていった想いが、六花の原点です。
最初からロッカの気持ちが分かっていたわけではありません。
一緒に過ごす時間の中で、小さな仕草や表情の変化から、
少しずつロッカのことを知っていきました
そして、その中で大切なことを少しずつ知ることができました。
相手を自分の思う形に変えることではなく、
相手が安心して、いつもの自分のままでいられること。
それを大切にすることです。
自分が撫でたいから撫でるのではない。
自分が抱っこしたいから抱っこするのではない。
ロッカが撫でて欲しいという時にはいつでも撫でるけれど、
かまって欲しくない時はそっと見守る。
ただ、ロッカが安心して過ごせる時間を大切にしていました。
ロッカが安心して幸せそうに眠っている。
夜になると、私の顔にそっと寄り添って眠る。
気持ちよさそうに日向ぼっこをする。
甘えたい時には、自分からそっと近づいてくる。
たくさん撫でると、ありがとうと手をなめてくれる。
そして、もっと撫でてほしい時には、
小さな頭を私の手の下へ持ってくる。
嬉しそうな時は一緒に喜ぶ。
その小さな姿を見ているだけで、私は幸せでした。
小さな変化を感じながら、
その時その時のロッカの気持ちに寄り添う。
気づけば私は、相手の幸せを願うことが、
自分自身の幸せになることを知っていました。
私は、ロッカが幸せそうに過ごしている姿を見ることが、
何より幸せでした。
その中で気づいたことがあります。
愛情とは、自分が何かをしてあげることだけではなく、
相手がその人らしくいられる時間を守ることなのだということ。
そして、その安心できる時間の中には、
自然と温かな空気が生まれるということ。
その想いは、
ロッカとの時間だけで終わるものではありませんでした。
人と人が過ごす場所にも、
同じように大切なものがあると気づいたのです。
以前のお店で、その大切さを改めて感じる出来事がありました。
料理や空間がどれほど素晴らしくても、
そこにいる人の心の温度が伝わらなければ、
本当に心地よい時間にはならない。
店の空気は、照明や音楽だけで作るものではなく、
そこにいる人の心から生まれるものだと。
ロッカが安心して自分らしく過ごしていたように。
お客様にも、
安心してその人らしくいられる時間を過ごしていただきたい。
それは、ロッカとの10年間で私が少しずつ学んだことです。
ロッカと私の間に流れていた、あの温かな空気。
その空気を、これからは六花という場所で、
皆さまと一緒に育てていきたい。
それが、六花の原点です。